共に歩む命のために ─ ペットと考える防災の備え

天国からの小さな声

飼い主「ねえ、また地上で大きな揺れがあったみたいだ」
犬「うん……ぼくたちの仲間も、びっくりして震えてたよ」
飼い主「怖かったろうな。君がいた頃、あの地震の夜も……ずっと抱きしめてたね」
犬「覚えてるよ。ぼくね、あの時すごく安心したんだ。だから今度は、ぼくの番。地上のみんなに伝えたいんだ」
飼い主「――“備えることは、愛すること”だって？」
犬「うん」

虹の橋の上。
天国へ渡った飼い主（男性）と、その愛犬（オス）が静かに寄り添って座っている。

二人は雲間から地上を見つめながら――
“今を生きるあなた”に、そっと語りかける。

はじめに：いつもそばにいる存在を守るために

地震、台風、豪雨、噴火。
日本という国に住む限り、「災害と共に生きる」ことは避けられません。

人は自分のことなら「まあなんとかなる」と思えることもある。
しかし――

あなたの足元に丸くなって眠る小さな命は、あなたなしでは生きられません。

それが犬でも猫でも、ウサギでもハムスターでも。

「防災の備え」とは、“自分を守る準備”ではなく、“守りたい存在のための覚悟”。

犬「ねえ、ご主人。ぼくたちは逃げ遅れるよ？リュックも背負えないし、水道もひねれない」
飼い主「……だからこそ、今のうちに人間が準備しておくんだね」

なぜペットの防災対策が必要なのか

災害時、ペットと一緒に避難できなかった――
そんな事例は過去の震災で何度も起きています。

避難所に入れず、車中泊を続けて熱中症に
フードが足りず、人の食べ物を分け与えて体調を崩す
パニックで逃げ出し、迷子に

「もしあの時、準備していれば」
――そう悔やんだ人は、一人や二人ではありません。

自宅でできる日常的な備え ─ フード・水・キャリーの確保

✅ 最低限そろえておきたい備蓄

アイテム	目安備蓄量	備考
フード	5〜7日分以上	未開封のものをローリングストック
飲料水	1日あたり500ml〜1L	ペット用ミネラル調整済みが理想
キャリー / クレート	すぐ持ち出せる場所に	ハードタイプ推奨
ペットシーツ / トイレ砂	1週間分	消臭袋もセットで

犬「ねえご主人、あの頃ぼくのカリカリ、2袋余分に買ってたよね？」
飼い主「“万が一の時のため”って言いながら、つい毎回多めに抱えて帰ってたな」
犬「それがぼくには嬉しかったんだよ。あれも“愛”だったんだって、今ならわかる」

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避難所でのペット受け入れ実情とマナー

避難所によって「ペット可」「屋外のみ」「不可」と対応がバラバラです。

だからこそ、以下を事前に確認しておきましょう。

✅ あなたの地域のハザードマップ
✅ 市町村の防災パンフレットに「ペット同行避難」の記載があるか
✅ 実際の避難所に問い合わせてみる（電話でもOK）

そして――

「うちの子は静かだから大丈夫」ではなく、「迷惑をかけない準備」こそが、本当の優しさ。

トイレのニオイ対策（消臭袋・ペットシート）
無駄吠え・過剰な不安対策（しつけ・慣らし）
「飼い主以外でも世話できるメモ」

ペットの健康・ストレスケアも防災の一部

犬「もし避難所で、知らない犬がいっぱい吠えてたら……ぼく、たぶん泣いちゃう」
飼い主「……君は繊細だったからな」
犬「だからね、ご主人。防災って“物を揃えること”だけじゃないよ。“心の備え”も必要なんだよ」

その通りです。

普段からキャリーやクレートに慣れさせる
好きなおやつ・毛布・おもちゃを“安心グッズ”としてセット
ストレスを察知する観察力を持つ

いざという時に慌てないための「防災リスト」作成術

📝 これだけは入れてほしい！愛犬・愛猫の「防災ファイル」

内容	形式	例
名前・年齢・性格	紙 or スマホ	「⚪︎⚪︎（5歳）怖がり / 抱っこNG」
食事の種類	紙	「ヒルズ◯◯味 1日80g」
持病・通院記録	病院領収書コピー可	ワクチン・薬情報
写真	スマホ & 印刷	迷子時の最終手段